趣 意 書
二十一世紀となって間もない今日、社会経済が目まぐるしく変化し、世の中の各分野において激しく変革が進み、人々の社会生活においても少なからず影響を及ぼしております。
私たちが住み暮らしております大津市においても大津港の整備、琵琶湖ホール・なざさ公園の整備等も進み、日本においても数少ない水辺のプロムナードとして他都市からも脚光を浴びております。
また、平成十五年十月十日には全国でも数少ない古都脂定を受け、これまでややもすると埋没していく感のありました大津市の重要な歴史的遺産や文化的遺産が大きく見直されることとなりました。
比叡山延暦寺・三井寺・石山寺等の文化遺産に加えて坂本地区における重要伝統的建造物群保存地区(平成九年十月三十一日選定)の整備が展開されており、大津市の歴史的文化遺産がこれまでになく輝くものとなりつつあります。そのような街の中、商業地としても賑わいをみせる膳所の他に密やかに佇む義仲寺があります。
木曽殿と 背中合せの 寒さ哉
この身近にあります義仲寺を活かしつつ新しいながれとして新旧・老若の人々が交流を深めるコミュニティ発信基地と位置づけ、豊かな街づくりの一環として「芭蕉と義仲の会」を平成八年八月に発足し、今日まで微細ではりますが活動を続けてきました。
生前の遺言により 大阪より船で運ばれ 木曾義仲の墓の隣に埋葬された芭蕉は義仲が大変好きだったようであります。
松尾芭蕉 木曾義仲の墓が義仲寺にあり、石山には今井兼平の墓鎧かけ松等史跡も数多くあります。
これら史跡を廃れさすことなく次代に継ぎ残すためにも、古都大津の中心に位置するこの膳所の地より史跡・文化遺産の重要性を全国発信致しますことは、この地に住まいする我々の責務であると考えます。
また本会はこのことを通じて心を同じくする人達との交流の場にしたいとも思っております。
どうぞ、この趣旨にご賛同頂きましたならば是非ご入会願いまして俳聖芭蕉の生きた道・悲運の将軍義仲の人物につき互いに勉強し、知識を深めイベントを通じて大いに街の発展を図ろうではありませんか。
平成十七年四月吉日
芭蕉と義仲の会
会長 藤野 鶴山